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年収と手取りはなぜ違う?社会保険料と税金の内訳をわかりやすく

「年収500万円」と聞いても、実際に銀行口座に振り込まれるのは月30万円前後です。約2割が「社会保険料」と「税金」として天引きされる理由を、項目ごとに解説します。

2026-05-20

年収と手取りの差は「だいたい年収の20〜25%」

会社員の年収(額面)から差し引かれるのは、大きく分けて社会保険料税金の2つです。年収500万円の独身会社員のケースで、それぞれの金額を見てみましょう。

年収500万円・独身・東京勤務の例(概算)

  • 年収(額面):5,000,000円
  • 健康保険料:約 245,000円
  • 厚生年金保険料:約 458,000円
  • 雇用保険料:約 30,000円
  • 所得税:約 138,000円
  • 住民税:約 240,000円
  • 手取り:約 3,890,000円(月額 約324,000円)

手取り率は約78%。年収が上がるほど税率が階段状に上がるため、年収1,000万円では手取り率が約72%に下がります。逆に年収300万円程度では約81%が手元に残ります。

社会保険料の内訳——年収の約15%

社会保険料は4種類あり、給与から自動的に天引きされます。それぞれの率は法律と協会けんぽ(または健康保険組合)の料率表で決まっています。

  • 健康保険料(約4.9%):医療費の3割負担を可能にする保険。会社と折半なので給与天引きはこの半額。介護保険料(40歳以上)も合算される
  • 厚生年金保険料(9.15%):将来の老齢年金・障害年金・遺族年金の財源。会社と折半(折半前の率は18.3%)
  • 雇用保険料(0.6%):失業給付・育児休業給付の財源。労働者負担分は0.6%(業種により異なる)
  • 労災保険料:労働者負担はゼロ。全額を会社が負担

健康保険・厚生年金は「標準報酬月額」という区分ごとに金額が決まっており、4〜6月の給与平均で1年分が決定します。残業の多い時期に新入社員になると、その後1年間の保険料が高めに固定される点に注意が必要です。

所得税の計算——5%〜45%の累進課税

所得税は、年収から「給与所得控除」「社会保険料控除」「基礎控除」などを差し引いた「課税所得」に対して、5%〜45%の累進税率がかかります。2026年時点の税率表は次の通りです。

  • 課税所得 195万円以下:5%
  • 195万〜330万円:10%(控除97,500円)
  • 330万〜695万円:20%(控除427,500円)
  • 695万〜900万円:23%(控除636,000円)
  • 900万〜1,800万円:33%(控除1,536,000円)
  • 1,800万〜4,000万円:40%(控除2,796,000円)
  • 4,000万円超:45%(控除4,796,000円)

さらに2037年まで「復興特別所得税(所得税額の2.1%)」が上乗せされます。年収500万円の独身会社員の課税所得は約260万円なので、所得税率は10%、計算式は「2,600,000 × 10% − 97,500 = 162,500円」、これに復興税2.1%を加えて約166,000円という流れです(実際には扶養や保険料の控除が前述の例より少し違うため数字は近似値)。

住民税は「前年の所得」をもとに翌年支払う

住民税は「市区町村民税6% + 道府県民税4%」を合計した一律10%(標準税率)で計算されます。所得税と違い前年の所得をもとに翌年6月から徴収されるという時間差があるため、新卒1年目は住民税ゼロ・2年目から急に上がるという現象が起こります。

また、退職して無職になっても、前年の所得に対する住民税は翌年に請求が来ます。退職時には1年分の住民税を一括前払いする選択肢もあり、転職・独立を検討する場合は住民税の支払いタイミングを資金計画に組み込んでおくのが安全です。

手取りを増やす王道アプローチ

天引きされる項目はすべて法律で決まっているため、合法的に手取りを増やす方法は限られます。

  1. 所得控除を増やす:iDeCo・小規模企業共済・生命保険料控除など、課税所得を下げる仕組みを活用する
  2. 税額控除を活用する:住宅ローン控除(年最大45万円)・ふるさと納税(実質負担2,000円)など、税額そのものを減らす
  3. NISA・iDeCoで投資の運用益を非課税に:通常20.315%かかる運用益の税金を非課税枠に逃がす
  4. 会社の福利厚生をフル活用:通勤手当・住宅手当・社員食堂など、課税対象にならない給付を最大限利用する

参考資料

  • 国税庁タックスアンサー「所得税の税率」
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)「保険料額表」
  • 日本年金機構「厚生年金保険料額表」