PFCバランスは「重さ」ではなく「カロリー」の比
PFCバランスでいちばん誤解されるのが、%が重さの比ではなくエネルギーの比だという点です。脂質は1gあたり9kcalあり、タンパク質・炭水化物の4kcalの2倍以上です。そのため重さでは少なく見えても、比率では大きく出ます。
実際に、代表的な食品を1食分だけ食べた場合の比率を出しました。 油やナッツが極端な値になるのは、この換算のせいです。
| 食品 | 量 | エネルギー | P / F / C(%) |
|---|---|---|---|
| ごはん(白米)(茶碗1杯) | 150g | 242kcal | 6 / 2 / 92 |
| 鶏むね肉(皮なし)(1/2枚) | 100g | 111kcal | 84 / 15 / 1 |
| 鶏卵(1個(正味)) | 55g | 78kcal | 34 / 65 / 1 |
| 納豆(1パック) | 45g | 92kcal | 32 / 44 / 24 |
| 鮭(1切れ) | 80g | 101kcal | 71 / 29 / 0 |
| オリーブ油(大さじ1) | 12g | 108kcal | 0 / 100 / 0 |
| バナナ(1本) | 100g | 96kcal | 5 / 2 / 93 |
| アーモンド(乾)(20粒) | 25g | 157kcal | 12 / 74 / 14 |
「脂質25%」が何グラムなのかは、カロリーが決まらないと出ない
比率は%なので、それ自体ではグラム数になりません。先に1日の摂取カロリーを決めて、そこへ比率を当てます。 自分の消費カロリーが分からない場合はカロリー計算ツールで先に出してください。
| 1日の摂取カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
|---|---|---|---|
| 1,400kcal | 56g | 38.9g | 206.5g |
| 1,600kcal | 64g | 44.4g | 236g |
| 1,800kcal | 72g | 50g | 265.5g |
| 2,000kcal | 80g | 55.6g | 295g |
| 2,200kcal | 88g | 61.1g | 324.5g |
| 2,500kcal | 100g | 69.4g | 368.8g |
2,000kcalなら、タンパク質80g・脂質55.6g・ 炭水化物295gです。脂質の数字が小さく見えますが、 これで全体の25%を占めています。
目標の配分を変えると、重量はこれだけ動く
同じ2,000kcalでも、どの配分を選ぶかで必要な重量は大きく変わります。
| 目標 | P / F / C(%) | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| バランス重視 | P16 / F25 / C59 | 80g | 55.6g | 295g | 食事摂取基準にもとづく |
| 筋肉をつけたい | P30 / F20 / C50 | 150g | 44.4g | 250g | 一般的な目安(公的基準ではない) |
| 糖質控えめ | P30 / F40 / C30 | 150g | 88.9g | 150g | 一般的な目安(公的基準ではない) |
公的な基準にもとづくのは「バランス重視」だけです。他の2つは一般に使われている配分で、 目的に応じて選ばれているものの、国の基準として示された値ではありません。
よくある質問
- PFCバランスとは何ですか?
- 食事のエネルギーを、タンパク質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の3つがそれぞれ何%ずつ占めているかを表したものです。重さの比ではなくエネルギー(kcal)の比である点が、いちばん誤解されるところです。脂質は1gあたり9kcalで、タンパク質・炭水化物の4kcalの2倍以上あるため、重さでは少なく見えてもエネルギー比では大きくなります。
- 目標の比率は何を使えばいいですか?
- 迷ったら「バランス重視」(P16% / F25% / C59%)です。これは厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」のエネルギー産生栄養素バランス(1〜49歳でたんぱく質13〜20%・脂質20〜30%・炭水化物50〜65%)の中央付近にあたります。「筋肉をつけたい」「糖質控えめ」の2つは一般に使われている目安で、公的な基準ではありません。
- 1日に何グラムとればいいですか?
- 比率は%なので、グラム数は1日に食べるカロリーが決まらないと出ません。先に消費カロリーを出してから比率を当ててください。たとえば2,000kcalを「バランス重視」で割ると、タンパク質80g・脂質55.6g・炭水化物295gです。
- 計算したカロリーが食品のパッケージと違います
- このツールは炭水化物に食品成分表の「炭水化物」の値をそのまま使っており、食物繊維を差し引いていません。食物繊維は消化されにくくエネルギーになりにくいため、差し引いて計算する「利用可能炭水化物」を使う表示より数%高く出ることがあります。目安として使ってください。
- 脂質を減らせばいいのですか?
- 脂質は1gあたりのエネルギーが大きいので減らすとカロリーは下がりますが、ホルモンや細胞膜の材料でもあり、極端に減らすと別の問題が出ます。食事摂取基準でも下限が20%に置かれています。比率が目標から外れていたとき、減らす側ではなく足りない側を足して調整するほうが現実的です。
出典
- 日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省)— 食品30品の栄養価
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)(厚生労働省)— エネルギー産生栄養素バランス
※ 栄養価は代表値です。同じ食品でも品種・部位・調理法で変わります。タンパク質・脂質・炭水化物のエネルギーは それぞれ4・9・4kcal/g (Atwater 係数)で計算しています。