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住宅ローンの返済方法:元利均等と元金均等の違いと選び方

住宅ローンの契約時に必ず選ばなければならないのが「元利均等返済」と「元金均等返済」。月々の返済額が違い、総返済額にも数十万〜百万円以上の差が出ます。それぞれの特徴と、どちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。

2026-04-22

元利均等返済とは

元利均等返済は、元金と利息を合わせた毎月の返済額が「常に一定」になる返済方式です。返済期間を通じて月々の支払額が変わらないため、家計管理がしやすいという特徴があります。

仕組み上、返済初期は利息の割合が大きく元金がなかなか減りません。返済が進むにつれて徐々に元金返済の比率が上がっていきます。住宅ローン商品の多くはこの方式をデフォルトとしており、日本の住宅ローン利用者の約9割がこの方式を選んでいると言われています。

元金均等返済とは

元金均等返済は、毎月返済する元金の額が一定で、残高に応じて利息が加算される方式です。返済初期は利息が多く月々の返済額が大きくなりますが、元金が早く減るため時間が経つほど返済額が小さくなっていきます。

仕組み上、同じ借入額・期間・金利なら総返済額(総利息)は元金均等の方が少なくなります。ただし初期の返済負担が大きいため、収入に余裕がないと選びづらい方式です。全国の金融機関のうち、住宅金融支援機構(フラット35)・メガバンクなど一部のみが取り扱っています。

3,000万円・35年・金利1.5%のシミュレーション比較

項目元利均等返済元金均等返済
初回返済額約91,855円約108,928円
返済10年目約91,855円約99,821円
返済20年目約91,855円約89,821円
最終回返済額約91,855円約71,517円
総返済額約3,858万円約3,790万円
総利息約858万円約790万円

このケースでは、元金均等返済の方が総利息で約68万円少なくなります。ただし最初の数年間は月1万円以上、元金均等のほうが返済額が大きくなるため、年収の高さが求められます。

どちらを選ぶべきか(判断フロー)

元利均等返済が向いている人

毎月の返済額を一定にして家計管理したい/借入当初の収入が比較的少ない/子育て期で支出が多い/教育費のピークを迎える前に少しでも毎月の負担を抑えたい

元金均等返済が向いている人

借入当初から返済余力がある/総返済額を抑えたい/将来収入が減る予定で、早いうちに元金を減らしたい/定年退職後に返済を残したくない

迷うなら元利均等返済を選び、余裕のあるときに繰り上げ返済で元金を減らす戦略が現実的です。元金均等返済は「初期の月々返済額が通常より1〜2割多くても問題ない」という余裕がある人向けです。

繰り上げ返済の2つの方法

繰り上げ返済には、返済額はそのままで期間を短縮する「期間短縮型」と、期間はそのままで月々の返済額を減らす「返済額軽減型」の2種類があります。

  • 期間短縮型:総利息削減効果が大きい。住宅ローン控除期間(10〜13年)が終了するまでは期間短縮しすぎないように注意
  • 返済額軽減型:月々の返済が楽になる。家計に余裕を作りたいとき向き

利息削減効果は「期間短縮型>返済額軽減型」です。ただし繰り上げ返済のしすぎで手元資金がなくなると、教育費・医療費などの突発支出に対応できなくなります。生活防衛資金(生活費の6ヶ月〜1年分)は必ず残して繰り上げ返済をしましょう。

金利タイプ(固定・変動)との組み合わせ

住宅ローンでは返済方法と同時に金利タイプも選択します。金利タイプの選び方によっても総返済額が変わります。

  • 全期間固定金利型(例:フラット35):金利が完済まで変わらず計画が立てやすい
  • 変動金利型:短期金利の変動で月々返済額が上下。当初は固定より安い傾向
  • 固定金利期間選択型:10年固定など、期間後に変動・固定を再選択

一般に「総返済額を確定させたい=全期間固定」「金利上昇リスクを取って低金利の恩恵を受けたい=変動」と選びます。2020年代は超低金利が続きましたが、今後の金利動向は誰にも予測できないため、返済計画に余裕を持たせるのが賢明です。

参考資料