単利と複利の違い
単利とは、最初に預けた元本に対してのみ利息が発生する仕組みです。たとえば100万円を年利5%の単利で運用すると、毎年5万円の利息が発生し、10年後には元本100万円+利息50万円=150万円になります。
複利とは、元本だけでなく、発生した利息にも利息がつく仕組みです。同じ100万円を年利5%の複利で運用すると、1年後は105万円、2年後は105万円×1.05=110.25万円…となり、利息が雪だるま式に膨らんでいきます。10年後は約162.9万円になり、単利より約13万円多くなります。
差額は10年では小さく見えますが、30年後には単利が250万円に対し、複利は約432万円になります。期間が長くなるほど複利の効果は劇的に大きくなります。
複利の具体的な威力:毎月積立のシミュレーション
一括投資だけでなく、毎月一定額を積み立てる場合も複利が働きます。毎月3万円を年利5%(月利0.417%)で積み立てた場合の資産額を見てみましょう。
30年間積み立てると、自分が実際に出したお金(1,080万円)よりも複利による増加分(約1,418万円)の方が多くなります。長期投資において「時間こそが最大の武器」と言われる理由がここにあります。
72の法則:資産が2倍になる年数を暗算する方法
「72の法則」とは、元本が2倍になるまでの年数を概算する方法です。計算式は非常にシンプルです。
2倍になる年数 ≈ 72 ÷ 年利(%)
年利3%なら約24年、年利6%なら約12年、年利9%なら約8年で元本が2倍になる計算です。日本の銀行の普通預金金利は0.1%程度なので、72÷0.1=720年かかります。対して積立NISAで期待される年利4〜5%では、72÷4.5≒16年で2倍になる計算です。
複利を活かすための実践ポイント
複利の効果を最大化するためには、次の3つが重要です。
なるべく早く始める
複利は時間が長いほど効果を発揮します。30歳から始めるのと35歳から始めるのでは、60歳時点での資産に数百万円の差が生まれます。
利益を再投資する
得た利益(配当・分配金)を使ってしまうと複利効果が消えます。自動で再投資される投資信託(インデックスファンド)は複利効果を享受しやすい商品です。
長期間続ける
途中で解約すると複利の恩恵を受けられる期間が短くなります。生活費とは別に「使わないお金」として積み立てることが大切です。
インフレと複利の関係
複利を考える上で見落とされがちなのがインフレ(物価上昇)の影響です。年2%のインフレが続くと、20年後の100万円の実質的な価値は約67万円になります。銀行預金のような超低金利ではインフレに負ける(実質的に資産が目減りする)ため、インフレ率を上回る利回りで運用することが長期的な資産保全の基本となっています。