年収 × 月額掛金の年間節税額早見表
上のツールと同じ計算で、年収と月額掛金の組み合わせごとに1年あたりの節税額(所得税 + 翌年の住民税)を並べました。会社員・給与所得のみ・iDeCo以外の所得控除なしを前提とした概算です。
| 年収 | 月1万円 | 月1.2万円 | 月2万円 | 月2.3万円 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 18,126円 | 21,751円 | 36,251円 | 41,689円 |
| 400万円 | 18,126円 | 21,751円 | 36,251円 | 41,689円 |
| 500万円 | 24,252円 | 29,102円 | 48,504円 | 55,780円 |
| 600万円 | 26,294円 | 31,144円 | 50,546円 | 57,822円 |
| 700万円 | 36,504円 | 43,805円 | 73,008円 | 83,959円 |
| 800万円 | 36,504円 | 43,805円 | 73,008円 | 83,959円 |
| 1,000万円 | 40,179円 | 48,215円 | 80,359円 | 92,413円 |
年収300万円と400万円の行、そして年収700万円と800万円の行が、どれも同じ金額になっているのに気づくと思います。節税額は年収ではなく、課税所得がどの税率の帯に入っているかで決まるためです。年収が上がっても同じ帯にとどまるうちは節税額は増えず、帯をまたいだ瞬間に段差ができます。
掛金は毎年同じ額を出し続ける前提で、加入年数をかければ累計になります。たとえば年収500万円・月2.3万円を20年続けると累計の節税額は1,115,600円、累計掛金5,520,000円に対する実質コストは4,404,400円になります。ただし途中で年収が変われば税率も変わるので、あくまで「今の年収が続いたら」の目安です。
職業区分ごとの掛金上限(2026年9月時点)
iDeCoの掛金には月額の上限があり、国民年金の被保険者の種別と、勤務先の企業年金の有無で変わります。
| 区分 | 月額上限 | 年額上限 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 自営業・フリーランス(第1号) | 68,000円 | 816,000円 | 国民年金基金・付加保険料と合算しての上限 |
| 会社員(企業年金なし) | 23,000円 | 276,000円 | 勤務先に企業型DC・DBのどちらも無い場合 |
| 公務員・企業年金あり | 20,000円 | 240,000円 | 2024年12月の改正で12,000円から引き上げ。他制度の掛金と合わせた枠内 |
| 専業主婦(夫)(第3号) | 23,000円 | 276,000円 | 課税所得が無ければ所得控除の効果は出ない |
注意したいのが第3号被保険者(配偶者の扶養に入っている方)です。掛金の上限は会社員と同じですが、そもそも課税所得がなければ引くべき税金がないため、所得控除による節税額はゼロになります。運用益が非課税になるメリットは残りますが、「掛金が全額所得控除」という最大のメリットは効きません。
企業型DCや確定給付企業年金(DB)に加入している方の上限は、事業主が拠出している額によって個別に決まります。実際にいくらまで拠出できるかは勤務先または運営管理機関に確認してください。なお2026年12月にはさらに上限を引き上げる制度改正が予定されており、上の金額は改正前の数字です。
所得控除が所得税と住民税の両方に効く仕組み
iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得から引かれます。所得控除は税額を直接減らすのではなく課税所得そのものを小さくするので、その課税所得を使う所得税と住民税の両方が同時に軽くなります。年収500万円・月2.3万円の場合を並べると次のようになります。
| 項目 | iDeCoなし | iDeCoあり | 差 |
|---|---|---|---|
| 所得税の課税所得 | 2,520,000円 | 2,244,000円 | −276,000円 |
| 所得税(復興税込み) | 157,744円 | 129,564円 | −28,180円 |
| 住民税の課税所得 | 3,130,000円 | 2,854,000円 | −276,000円 |
| 住民税(所得割) | 313,000円 | 285,400円 | −27,600円 |
| 税金の合計 | 470,744円 | 414,964円 | −55,780円 |
年間掛金276,000円に対して、所得税が28,180円、住民税が27,600円、合わせて55,780円軽くなります。住民税の課税所得が所得税より610,000円多いのは、基礎控除が所得税と住民税で違うためです(所得税は令和8年分(2026年分)の額で、合計所得489万円以下なら104万円。住民税は地方税法で別に定められており43万円のままです)。
所得税は年末調整(自営業の方は確定申告)でその年のうちに精算され、住民税は翌年6月からの天引き額が下がるかたちで反映されます。同じ年に節税分がまとめて返ってくるわけではありません。また節税できるのは「納めるはずだった税金」の範囲内なので、課税所得より掛金のほうが大きい場合は引ききれない分が出ます。
iDeCo節税シミュレーターの使い方
- 職業区分を選択(上限掛け金が自動設定されます)
- 年収を万円単位で入力してください
- 月額掛け金を設定(上限以内で自由に設定可)
- 加入年数で累計節税額と実質コストを確認できます
計算の仕組み
iDeCoの掛け金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除になります。課税所得が減ることで所得税と住民税が軽減されます。節税額は税率を掛けるのではなく、掛金を引く前と引いた後の税額の差で計算しています(累進課税では掛金によって税率の帯をまたぐことがあるため)。
よくある質問
- iDeCoの節税効果はどのくらいですか?
- 年収500万円・掛け金2.3万円/月の会社員なら、年間の節税額は55,780円(所得税 28,180円 + 住民税 27,600円)です。所得税率が高い人ほど効果は大きくなり、年収700万円なら年間83,959円になります。年収500万円で20年間積み立てた場合の累計節税額は1,115,600円です。
- 年収400万円でiDeCo月2万円を積み立てた場合、年間いくら節税できますか?
- 年収400万円・月2万円なら年間36,251円の節税です。年間掛金240,000円に対し、所得税(復興特別所得税込み)で12,251円、住民税で24,000円が軽くなります。令和8年分(2026年分)の基礎控除(104万円)を引いた課税所得は所得税率5%の帯に入るため、住民税10%と合わせておよそ15%が戻る計算になります。
- iDeCoの掛け金の上限はいくらですか?
- 職業区分によって異なります。2026年9月時点では、会社員(企業年金なし)が月23,000円、公務員・確定給付企業年金などに加入している方が月20,000円(2024年12月の改正で12,000円から引き上げ)、自営業(国民年金第1号)が月68,000円です。企業型DCやDBに加入している場合は事業主の拠出額に応じて個別に決まるため、勤務先または運営管理機関にご確認ください。
- iDeCoの節税はいつ受けられますか?
- 会社員は年末調整で翌年1〜2月の給与から還付されます。自営業の方は確定申告で翌年3月の申告時に精算されます。
- iDeCoには節税以外のメリットはありますか?
- 運用益が非課税になること(通常は約20%課税)、受け取り時に退職所得控除・公的年金等控除が使えることが主なメリットです。ただし60歳まで原則引き出しできない点はデメリットです。
- iDeCoとNISAはどちらを優先すべきですか?
- 目的が異なります。iDeCoは「今の節税効果」が大きい(掛け金が全額所得控除)が60歳まで引き出し不可。NISAは「運用・取り崩しの自由度」が高く、いつでも引き出し可能です。老後資金としてはiDeCoを上限まで活用し、それ以外の資産形成はNISAという使い分けが一般的です。
- iDeCoで運用できる商品は何ですか?
- 金融機関によって異なりますが、主に投資信託(インデックスファンド・アクティブファンド)と元本確保型(定期預金・保険)があります。節税効果を最大化したい場合は信託報酬が低いインデックスファンド(全世界株式・S&P500など)が選ばれることが多いです。
- iDeCoを途中で解約(脱退)できますか?
- 原則として60歳になるまで解約・引き出しはできません。ただし、障害になった場合・死亡した場合・国民年金の保険料免除を受けている場合など、例外的な脱退が認められる条件があります。掛け金の拠出を一時停止(運用指図者への変更)は可能です。
- iDeCoで受け取り時に税金はかかりますか?
- 受け取り方によって課税が異なります。「一時金」で受け取ると退職所得控除(勤続年数に応じた大きな控除)が適用でき、税負担が小さくなります。「年金」で受け取ると公的年金等控除(65歳以上で年110万円まで非課税)が適用されます。どちらが有利かは他の収入や退職金の有無によります。
免責事項
本ツールの計算結果は目安であり、税務・投資上の助言ではありません。節税額は課税所得によって変わり、課税所得がない場合は所得控除の効果を受けられません。拠出限度額は国民年金の被保険者種別と、勤務先の企業年金(企業型DC・確定給付企業年金)の有無によって異なります。iDeCoは原則60歳まで引き出せず、受取時にも課税されます。加入可否や限度額は運営管理機関・国民年金基金連合会、税務上の扱いは税務署・税理士にご確認ください。