レム睡眠とノンレム睡眠の違い
睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の2種類があります。レム睡眠は「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の略で、眠っていても眼球が素早く動き、脳はかなり活発に活動している状態です。夢を見るのは主にこのレム睡眠中です。
一方、ノンレム睡眠は脳が休息する深い眠りです。眠りの深さで4段階に分類され、段階3〜4は「徐波睡眠」と呼ばれる最も深い眠りで、体の修復・成長ホルモンの分泌・疲労回復の中心となる時間帯です。
90分サイクルの仕組み
就寝するとまずノンレム睡眠に入り、深い眠りに達してから次第に浅くなっていき、約90分後に短いレム睡眠が訪れます。このノンレム→レムの一巡(約90分)を、通常一晩で4〜6回繰り返します。
睡眠サイクルは一晩で均一ではなく、次のような特徴があります。
- 就寝後最初の90分が最も深い眠り(成長ホルモン分泌のゴールデンタイム)
- 朝に近づくほどノンレム睡眠が浅くなり、レム睡眠の割合が増える
- 明け方は夢を長く見やすい
この最初の90分が十分に確保されないと、たとえ合計睡眠時間が長くても疲労回復が不十分になるため「就寝後90分の質」が重要とされています。
スッキリ目覚めるための計算式
レム睡眠の終わり(浅い眠り)に起きると自然にスッキリ目覚められます。逆に、ノンレム睡眠の深い段階で無理に起こされると、ぼーっとした状態(睡眠慣性)が30分〜1時間続くことがあります。
理想の睡眠時間は次の式で概算できます。
睡眠時間 ≈ 90分 × N + 入眠までの時間(約15分)
Nはサイクル数です。一般成人はN=4〜5(6〜7.5時間)が目安ですが、個人差があります。朝7時に起きたい場合、逆算すると以下のようになります。
年齢別の推奨睡眠時間
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、年齢に応じた推奨睡眠時間が示されています。
高齢になると深い眠りが減少し、夜中に目が覚めやすくなるため、「長く寝る」ことを目指すよりも「日中に眠気がなければ十分」と考えるほうが現実的です。
睡眠の質を上げる5つの習慣
- 毎日同じ時刻に起床する(体内時計をリセットする最大の要因)
- 起床後すぐに太陽光を15分以上浴びる(メラトニン分泌サイクルの調整)
- カフェインは就寝6時間前までに切り上げる
- 就寝1〜2時間前に38〜40℃の入浴で深部体温を下げる
- 寝室は18〜22℃・湿度50〜60%・遮光カーテンを使用する
90分サイクルに縛られすぎない
90分は平均値で、実際のサイクル長は70〜110分と個人差があります。体調や年齢によっても変動します。厳密に90分の倍数で就寝しようとして逆に眠れなくなるのは本末転倒です。
目安として活用しつつ、最も重要なのは「起床時刻を固定する」「十分な睡眠時間を確保する」ことです。自分に最適なサイクル長は、数日間決まった時間に寝て起きてみて、目覚めの良さを記録すると見えてきます。